国立エトルリア博物館

ヴィッラ・ジューリアにある国立エトルリア博物館は、エトルリア人の神秘的で魅力的な世界を発見したい人にとって欠かせない場所です。ルネッサンス様式のヴィラの中にあるこの博物館には、古代エトルリア人の生活、文化、芸術を記録した素晴らしいコレクションが展示されている。エトルリアの葬祭芸術の中でも最も象徴的な作品のひとつである有名な「花嫁と花婿の石棺」は、宴会のベッドに横たわるカップルを描いたもので、愛情と親密さを表現した珍しいジェスチャーである。チェルヴェテリのネクロポリスから出土したこのテラコッタの傑作は、エトルリアの職人たちの洗練された技巧の真の象徴である。

さらに部屋を進むと、エトルリア人の芸術的技術と高度な技巧を示すブロンズ像、陶器、宝飾品の数々を鑑賞することができる。中でも「アレッツォのキマイラ」は、ライオンの体、蛇の尾、ヤギの頭を持つ神話上の生き物を表現した見事なブロンズ像で、彼らの複雑な神話の象徴となっている。また、日常生活や宗教的儀式、神話を描いた、磨き上げられた表面に彫刻が施された黒いブッチェリのような、繊細な装飾が施された陶器にも事欠かない。

また、タルクィニア、ヴルチ、ヴェイオなどのエトルリア人の墓から出土した墓用品も展示されており、古代エトルリア人の葬送儀礼や精神的信仰を詳しく知ることができる。最も貴重な展示品の中には、エトルリア人の富と洗練を物語る金の聖杯や、ネックレス、指輪、フィブラなどの精巧な宝飾品があります。フレスコ画や壁画の展示は続き、その多くは宴会、踊り、ゲームなどの場面を描いており、エトルリア人の社交生活の活気を物語っている。

楽器や、繊細な彫刻が施されたブロンズの鏡など、エトルリア人の美的習慣や個人的な信仰を垣間見ることができる、日常生活で使用されていた道具に特別な注意が払われています。博物館見学の最後には、エトルリア語の謎に包まれた部分と、古代イタリア史の文脈におけるその変遷を証明する碑文やテキストが展示されます。

ヴィッラ・ジューリアにある国立エトルリア博物館は、ローマ文明ほど知られてはいないものの、イタリアの歴史と西洋美術に忘れがたい足跡を残したエトルリア文明について、隅々まで発見させてくれる。ディテールに富み、考えさせられる展示ルートは、神話と現実と伝説の狭間にあるエトルリア人の世界にどっぷりと浸ることができます。